いろいろなことに挑戦する記録

二児のワーママ、人生を合理的に進める記録

【書評】★4 アクションプラン

 さすが韓国系牧師、勢いがある。初読の感想はそれであった。勢いがあるだけでなく、説得力を持って問いかけてくる。
 牧師の仕事は大変だと思う。神父や牧師の仕事は、神の言葉を伝えることで、「ぼくがかんがえたさいきょうのせいしょかいしゃく」を伝えるのではない。それになってしまったらその人が教祖になってしまうからである。

 牧師あるいは説教というものは一歩間違えれば多くの人に誤った影響を与えてしまう。しかも毎週少しずつ間違っていたら、気がついた頃にはかなり横にそれてしまう。キリスト教とひとくくりにできないのも、きちんとした人からちょっとずつ脇道にそれてしまった人まで様々であるからだ。
 本書はゼロからメガチャーチを作り出した、もはやカリスマ牧師である。とはいえ教会のゴールは教会員の数ではなく、教会員の質である。日曜日だけ神様とつながった気になって帰るのではなく、常に自分を点検し、み心にかなったアクションを起こそう!というのが本書の目的である。副題にもあるように、「信仰を目覚めさせる積極的生活の決断」のススメというわけだ。

 

 


 ここまで読んでわかるとおり、本書はすでに洗礼を受けた人向けである。したがって流れとしては、信仰初心者を脱出し、教会に尽くし、愛によって立てあげるとなっている。
 さて、一般の方々はあまり知らないかと思われるが、キリスト教のゴールはイエスに倣うものである。つまり、常に、罪のない、隣人を愛し、神を礼拝するものだ。
 ところがこれが難しい。なぜなら私達は今神の国にいるわけではなく、普通に日本社会的に生きているからだ。私自身も、成績が良くていい会社に入って金がたくさん貰えれば幸せな生活が送れると高校生まで固く信じていたし、実家にたくさんあった人形を処分するにも気が引けて、人形供養の日に燃やしに行った。
 神を信じ、イエスを救い主と信じた瞬間に私達は古い性質を脱ぎ捨て新しいものに作り変えられると聖書にはある。それでも古い性質を脱ぎ捨てきれずにいるクリスチャンにむけて、筆者はチェックリストと誓約書をもとに私達読み手に本当に生まれ変わることを求めている。
 本書は信仰の初心者には向いていない。しかしどこかでつまずきを感じている人、あと一つ背中を押してほしい人、より教会に奉仕したいが何をしたらいいかを求めている人にはおすすめできる。
 また、クリスチャンホーム(家族)を作りたい人にもおすすめだ。筆者は多忙のあまり自分の子どもにあまり関われなかったことを反省し、子ども・家庭に積極的に関わること「空席を満たせ!」を勧めている。アブラハムがイサクを、イサクがヤコブを祝福したように、仕事よりもまず、子供のスキンシップを通して家族の愛を建てあげる。

 クリスチャンになるのは簡単だ。私達が選んだのではなく、既に神に選ばれているからだ。本当の戦いは実は洗礼を受けてからで、与えられた賜物のもとイエスに倣えるか、そしてこの世ではなく神の国に照準を合わせられるかという厳しい試練に耐えなければならない(そしてはたからみれば変な人、といううわさ話も平気にならなければならない)。そう、信じたあとのアクションが大事なのだ。
 この本を手にとって買ったのも何かしらの(上馬キリスト教会的に言えば)導き〜↑なのかもしれないので、チェックリストを時々見直して、日々清められるよう邁進したい所存である。