いろいろなことに挑戦する記録

二児のワーママ、人生を合理的に進める記録

★5 残業学

 毎度おなじみ中原淳先生の出版本。最近の本は全部買っているのではないかと思うくらいファンになった。ええ、にわかでございますが。
 というのも、内容がきちんとした調査研究に基づいて論じられているからである。熱血師匠から「数字で殴るとはこういうことだ!」と教えられるようなアッパーを喰らう気持ちである。

 

残業学 明日からどう働くか、どう働いてもらうのか? (光文社新書)

残業学 明日からどう働くか、どう働いてもらうのか? (光文社新書)

 

 

 
前著

女性の視点で見直す人材育成――だれもが働きやすい「最高の職場」をつくる

も読んでいるので時々内容はかぶるのだが、今回は「残業」にフォーカスを当てた包括的なものである。
 残業とは何か、残業の歴史とはから始まり、残業しないことのメリットは?を挙げている。ここまで書いておいて残業という文字がゲシュタルト崩壊してくる。
 残業しすぎて麻痺する。そして先輩から後輩へとつながる残業感染。まったく、先生はどうして私の前職の病棟のことを知っているのか?と思うほど的確な指摘です。残業代で生活をしているーーあれ、これ夫の前職だね?どこでもありがちな話なんだね?聞いたことある話ばかりで、とにかくうなずきながら涙無しには読めない本です。「こんな苦しい思いをしているのは私達だけではなかったのか、かわいそうな日本人たちよ」、と。
 国の旗振りのもと、数年前から働き方改革が始動していることにも触れ、その現状、そしてどうすればよいのか、という提案、未来に向かっての働き方を示唆して本書は終わる。
 
 我々夫婦も30代となり子供もふたりいる。若い頃がむしゃらに残業して24時間働けますを地で行くような時代から完全に家庭にシフトした。そう、若い頃のようにバリバリ残業も夜勤も引き受けて働ける体力ではない。それでも社会はそれをまだ許容しない。だから転職をした。元職場に残っているのは、パワーファイターかおじいちゃんおばあちゃんの手厚い子育てバックアップがあるか、独身若者である。彼ら彼女らも私たちのようになれば、辞めていく。そうしてパワーファイターだけが残る。パワプロで言うなら1番から9番まで筒香や柳田や山川で打線組んでおれのちーむマジつよと言っているようなもんだ。
 
 自分たちが社会を変えていくためにはかなりのエネルギーが伴う。社会全体で認識を変え、若いうちからバランスの取れた生活をする人たちが増えることにより、よりクリエイティブでオリジナリティのある仕事ができるのではないだろうか。
 そういえば夫の会社にも超エリート経歴の男子が新卒で入ってきたそうだが、自分の趣味を大事にするためバリキャリではなく保守の会社に入社してきたそうだ。時間が過ぎれば自分の(聞けば優雅な)趣味に時間を費やす。時代は少しずつ変わってきている。そうだ、というわけで今日も我々夫婦は定時ダッシュかますのだ。イェーイ。