いろいろなことに挑戦する記録

二児のワーママ、人生を合理的に進める記録

★4 医療4.0

 

 

医療4.0 (第4次産業革命時代の医療)

医療4.0 (第4次産業革命時代の医療)

 

 

 医療機関は意外と思われるがかなりアナログだ。
 確かに医療「機器」は進化している。どれくらいかというと2年休職したりするときれいさっぱり機械が変わっていたりするくらいだ。エコーは小さくなり、血糖値測定器も自動になり、ごつすぎたPDA(患者の認証やカルテの入力に使うハンディ?な照合機器)はスマホサイズになり。
 ところがどうだろうか。未だに書類作成は電子カルテ上から紙でダウンロード&印刷を行い、あろうことかそれをわざわざスキャンして取り込む。
 私がこの前行ったチェーン系リラクゼーションサロンは、ipadで説明し、サインもペンタブだった。あの衝撃は未だに忘れられない。そう、店舗のクレジットカードのサインもペンタブだ。
 医療現場におけるアナログ例は枚挙に暇がない。紙に書きつつカルテに打ち込むこともザラではない。ついでにいうと、書類事務作業が圧倒的に多く、医療者の時間を逼迫している。


 本書に出てくる30人の(元もいるが)医師でスタートアップを始めた人たちは、それぞれ病院での困ったことを解決するために、企業をわざわざ立ち上げて取り組んている。
 それはカルテの情報共有(ブロックチェーン、AI解析、データベース)であったり、データを用いた予防医学であったり、また不要不急な受診を防ぐボット相談であったり…実に多様である。
 それぞれ個性的なアプローチで問題を解決しようとしているさまを読んでいると、個人的には胸を踊らされるものが多い。
 特に妊婦相談や子育て相談をラインで出来る、などがあれば、わざわざ子連れで医者に行かなくてもいいということになる。ああ、もっと早く知っていれば、と思った。
 本書は30人の医師にインタビューしたものを一つにまとめてあるため、それぞれがかなり短い。もっとそこの話聞きたいです!と思うところが端折られている。たくさんの話を聞くか、少ない人の話を深く聞くべきだったか。
 最後にも筆者によって書かれていたが、こういった医療系スタートアップは何も医師だけに限らない。コメディカルのスタートアップを今度はぜひ特集してほしい。