私も寄付をしています。教会での献金も含めると、献金、ふるさと納税、プランジャパンのBecause I am a Girlプロジェクトです。
献金は別にしておいて、私もお金を稼ぐ(とはいえ大したものではない)ぐらいしか能がないものだから、せめてチャリティに回そうと思い、この春からはプランジャパンのBecause~~プランに毎月寄付をしています。
https://www.plan-international.jp/girl/
この本は、四年ほど前に書かれた本ですが、そういうなんちゃって寄付でちょっといい人生を気取ってみてる根本的な罪深さが浮き彫りにされ、本当にそのチャリティ先でいいのか?を改めて考えるきっかけとなった本です。
あなたが世界のためにできる たったひとつのこと 〈効果的な利他主義〉のすすめ
- 作者: ピーター・シンガー,関美和
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2015/12/19
- メディア: 単行本
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どこかに寄付をしようとして月1万円を握っているとした場合、このお金で最大限の幸福をもたらすチャリティ(NPOなど)はどこか?そんなこと、考えたことありましたか。本書にも「人は自分がかかわった分野、自分が苦労して通った道などに寄付する」と、効率度外視で感情で寄付するようです。私自身も、女だから、という理由で差別された経験もあり、先に述べたプランジャパンに寄付を始めました。お金を出すだけで、その効率を考えていなかったのです。
どの分野もお金がなければ仕事が回りません。例えば私が握っているこの一万円で、先進国の美術館の改修に寄付をするのか、はたまた貧しい国の、その中でもさらに貧しい国に寄付をするのかとします。どちらに同じだけの金額を出してどれだけの命が守られどれだけ健康的に文化的に長く生きていけるか。本書のタイトルにあるように、まさに”効果的な””利他主義”を貫くのであれば、間違いなく後者の貧しい国に寄付をするでしょう。
効果的にお金を使ってくれるNPOを分析し紹介するサイトまであるなんて、お恥ずかしながら本書を読むまで知りもしませんでした。
また、本書では収入の半分かそれ以上を寄付に回す人の事例が紹介されていたり、お金をたくさん稼いで寄付をするのベストなのか、それともNPOに就職して最前線で働くほうがいいのか?を問う章もあり、非常に考えさせられる本です。もっと言えば、昨今日本でもよくある子供一人に対し3億円近くかかる手術費や渡航費についてもバッサリ(こちらのほうが効果的らしい)。意外に効果的だと思っていたことも、実は効果的ではなさそうであるということは私の中では驚きでした。
24時間テレビ、ツイッターで話題のお金100万円あげますキャンペーン。さてはて効果はいかほどなのでしょうか。ここの分析があると非常に楽しくなりそうな分野です。
全員が全員寄付をしろという本ではありません。ある程度本を読む心と時間と少しの余剰なお金がある人向けです。
本書にもちらっとキリスト教の教えに従って寄付をする人はいますが(やもめや孤児にやさしくしなさいというイエスの教えがあります)、他で言えば喜捨、チャリティー、ノブレスオブリージュ・・・。文化として根付いている部分もあります。
このエントリーを見た中で寄付ができる状況にあって、誰かのために寄付をしたいな、と思っている方は、今一度寄付先をしっかり見つめなおすこと、そして本当に満たしたいのは「自分の欲」ではなく「誰かの人生」であることを本書を通して認識させられるでしょう。