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二児のワーママ、人生を合理的に進める記録

【仕事】理論を学べば新人でも経験者レベルに?

子育てはしたことがあるけれど保育園での勤務はおろか小児科も経験したことがない看護師が、教科書に載っている理論がいまさら使えるとわかったので振り返りをします。今回はブリッジズの情緒分化とエリクソンの発達段階に焦点を当てました。

 

ブリッジズの情緒分化

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ブリッジズの情緒分化図

https://www.kango-roo.com/word/20879 看護roo! 情緒よりお借りいたしました。

 

主に乳幼児担当となる看護師。子どもはどんな感情を持つのか、ブリッジズの情緒分化を参考にしました。以下、考察です。

例えば、3か月くらいから怒りを感じるなら、成熟してきたころにはお友達に対して怒ることもある。恐れを感じる6か月くらいには、分離不安が出てきて「ママと離れるのがさみしい」となる。6か月くらいの「泣き」には、おむつが濡れた、アレができない、これは嫌だ、置いて行かれるのは嫌だとバリエーションが増えるとこの表からもうかがえます。

生後半年まではネガティブな情緒が先に発達するため、それを言葉で表現できない赤ちゃんは「泣き」で表現する。つまり、よく泣く。そのため乳児に泣かれることに慣れていない初ママは疲弊する可能性が高いと考えられます。保育園では子どものケアもするが、同時に子に時期のご家族のケアも忘れずに。

逆に、1歳過ぎたくらいにはポジティブな感情として、得意になることや他者への愛情が芽生えるようです。上手―!とほめるともっとやっちゃうとか、にやにやする。他のお友達にハグをしたり、抱きついたり。他方、まだ力加減はできていないから、他児を押し倒すこともしばしば。集団生活となる保育園では、他者へ愛情が芽生えたことを喜ぶとともに、接触が頭をぶつけたり倒れこんだりするアクシデントへつながらないように注意する必要があるでしょう。

 

 

エリクソンの発達段階理論

上記ブリッジズは主に2歳までの情緒の分化を見てきました。次に見るのはエリクソンの発達段階理論です。この理論は赤ちゃんの頃から青年、壮年、老年と続いていくものですが、就学前の年齢だけでも4つ(児童ではないから3つともいえるのですが)の発達段階があるとわかります。

参考がwikiですが・・・左4列までは教科書にも載っているものです。右3列は参考まで。一部抜粋です。

年齢 時期 導かれる要素 心理的課題 [1] 主な関係性[2] 存在しうる質問[2][出典無効] [2]
0–2 歳 乳児期 希望 基本的信頼 vs. 不信 母親 世界を信じることは出来るか? 授乳、愛着
2–4 歳 幼児前期 意思 自律性 vs. 恥、疑惑 両親 私は私でよいのか? トイレトレーニング、更衣の自律
4–5 歳 幼児後期 目的 積極性 vs. 罪悪感 家族 動き、移動し、行為を行ってよいか? 探検、道具の使用、芸術表現
5–12 歳 児童期 有能感 勤勉性 vs. 劣等感 地域、学校 人々とものの存在する世界で自己成就できるか? 学校、スポーツ、仲間意識
乳児期 基本的信頼vs不信

0歳児1歳児クラスでは愛着をテーマにかかわって保育看護していくことが必要になるとわかります。母親(ないしは親密な他者)との深いかかわりができて初めて、父親などの近しい他者や保育園の先生との関係が結べます。初めから子供は全員と仲良くなるというスキルを備えていないので、0歳児では愛着のある先生がいて他の先生では何もできないということが必然的に生じます。また1歳児では0歳児からの持ち上がり担任をして保育園でのベースとなる信頼できる場所(先生)を確保したりします。

他者からの基本的信頼を確立することにより、はじめて次のステージへと移ることができます。愛着がきちんと形成されないことにより、年齢を重ねてもなかなか親離れしない、友達と遊べないなどの行動が見られる可能性があります。

幼児前期 自律性vs恥、疑惑

2歳すぎると「自分で自分のことをやるんだ」という意志が強い時期(いわゆるいやいや期)がきたり、3歳ぐらいで「もう赤ちゃんじゃない、もう体も大きいのに赤ちゃんのような態度をとるのは恥ずかしい」という気持ちが芽生えたりします。

やりたいという感情の発達が先行し、手足含む体の発達はあとから追いつくため、初めは意思と行動がばらばらの時もありますが、その時は行動を助けてあげる、見守るなどの自律性を助ける行動をしましょう。かならず体の発達がやる気に追いつく時が来ます。その時はめいいっぱいほめましょう。

幼児後期 積極性vs罪悪感

気持ちに身体が追いついてくる年齢で、今度は手先の器用さによってできることできないことが増えてきます。はさみを上手に使ったり、クレヨンで絵をかいてみたり、制作物がはかどるのもこの年頃。上手に製作が出来ているのか保育士と一緒に見てみるのもいいかもしれません。また悪いことは悪いことと理解でき、ルールの存在を明確に理解できるようになります。児童期に向け、集団を意識して活動することを促す時期でもあります。幼児前期までは「集団=個の集まり」でしたが、幼児後期になると「集団=協力し合うチーム」と微妙にニュアンスが変わってきます。そこに集団になじめない性格の子が見えてきたり、あるいは集団を集団らしくするリーダーシップが芽生える子がいたりしてきます。

 

発達段階は子どもの時に多くありますが、イメージとしては「大人の階段のぼる~♬」です。下の階段きちんと登れないと、上の段にはあがれません。保育園ではただ何となく遊んでいたり愛しているわけではなく、保育士さんが丁寧にかかわり、各学年で達成すべき発達段階を個別に考えて保育していますし、そこに専門性が出ています。

エリクソンの発達段階理論を押えておくと、どのクラスに入ってもこの年齢の大まかな発達が理解できますので経験知を埋めることができるでしょう。保育園で働く際にはぜひ覚えておいてほしい理論です。