いろいろなことに挑戦する記録

二児のワーママ、人生を合理的に進める記録

N女の研究 ★3

育休を終えて医療機関に戻ってきたのが今春。魔界の都TOKYOにいると、セーフティネットから取りこぼされた人たちを見ることが多くなりました。特に困っている外国人は数年前よりもずっとずっとその数が多くなってきていると肌で感じます。現在の枠組みではなかなか手を差し伸べきれない部分が出てきてしまう。困ったな、どうしたらいいんだろう。そういったときに企業や法律ではなく、NPOが動いてくれていることを知りました。そんなNPO職員を見て、世間知らずな私はふんわりと「ああ、こういう団体も仕事としていいなぁ」と思っていました。

そんな中、ツイッターでこの本が面白いよ!と紹介されていたので手に取ってみた本がこちら。

N女の研究

N女の研究

 

 N女、つまりNPOで働く女性たちのこと。筆者の中村さんはいくつかの団体に取材を申し込み、そこで職員として働く女性たちにインタビューをしてまとめたものを出版しました。ポイントは、NPOの立ち上げ人やトップ集団ではなく、あくまでも中堅で働く女性にインタビューしたこと。人を救いたいという意識の高さだけでごり押ししてきた人たちではなく、人を助けるために自分の持つ力を使う人たちにスポットライトを当てています。

アマゾンの紹介文でもある通り、いろいろな女性の働き方を垣間見ることができます。世間がうらやむような大企業からの転職を成し遂げたかた、生きづらさを抱え同じ目に合う人を減らそうと思って就職した方、家庭と仕事の両立に悩むけれどもNPOの仕事を続けている方ーー女性の働き方のモデルロール集と言ってもいいかもしれません。目次を読んで気になったところから読んでいくのも一興。

働き方が多様となっていく昨今、企業ではない場所で自分のスキルを捧げたいと考える人もいるでしょう。NPOは企業とは違ってお財布に優しくない部分も、情熱ではやっていけない部分もどうやらあるようです。私が今まで見ていた「人を救うために働いています(キラキラ)」な部分はあくまでも表層で、実際的ではない様子。NPOで働く女性がどんなことを考え、どんな道をたどってきたのかをぜひ知ってほしいと思います。