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【書評】★5 ひといちばい敏感な子

自分には娘がいるが、娘の繊細さになかなかついて行けない。そういうお年頃、と言ってしまえばそれて終わりかもしれないが、思春期のとはわけが違う。このままのやり方では、彼女は人生辛くなると思ってしまう。なぜなら私が彼女のような気持ちを持ちながら育ったからである。

 

ひといちばい敏感な子

ひといちばい敏感な子

 


 赤ちゃんの頃から大きい音の環境が嫌い、人の気持ちを伺うような仕草をする、親が弟に怒ると別の視点を与えて怒らないようにするなど…。そんなふうにさせてしまっているのではないかという罪責がある。

 本書はHSCHighly sencitive childについて取り上げて書かれている。注目すべきは、これは疾患ではなく、性格であるということだ。つまり、薬や何かで抑えられるわけではないが、認知行動で上手いこと問題をひらりとかわして生きていくことができるというわけだ。
 先にも述べたように筆者のいうところのHSCは疾患ではない。ゆえに、特徴が様々ある。実際に本書を開いてみると、当てはまる部分、当てはまらない部分がある。それぞれにどのようにしたらよいかの具体例が書かれているので、次はこのように行動しよう、と思わせる本である。


 本書の特徴は、HSCの赤ちゃんから学童期までの年齢別の課題と、さらに親がHighly sencitiveであるときのパターンも書かれていることだ。子供のうちから本書を持っておけば、長く使うことができるというわけである。
 ここまで読んでくれて「この本を読んでみたい!」と思った方々にひとつ注意をつけるとするならば、本書は2002年に書かれ、2015年に翻訳された。もう15年以上も前の本である。もしかしたらアメリカではhighly sencitive childは埋没してしまう存在ゆえに書籍として余り注目をされなかったのかもしれない。(とはいえ最近ではアメリカでも『内向型』が注目されていたりもするが)
 訳者の明橋さんが書籍化してから似たような本が頻発し始めた。イラストが多い類似本もいいかもしれないが、本書はHSCを抱える親御さんあるいはhighlysencitiveな大人たちにも光明となるだろう。